特許出願

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2019/05/24(金)

特許出願

世の中には弁理士という職業がある。
つまり、特許や商標などの発明者や発案者に代わってそれらの知財を権利化する代理人の事である。
現在、私は自分で出願書類を書いているが、弁理士になろうとは思わない。
なぜなら、自分の発明に時間を使いたいし、第一、そもそもそんなに頭は良くないし(笑)。
過去に何人かの弁理士にお願いして「何となく判った」事をお話ししよう。
弁理士と言えども、歴とした商売、ビジネスであり、「売り上げてナンボ」の仕事である事は疑い様が無い。

ところで、特許に限って言うと特許出願に添えられる明細書を書くのも弁理士の仕事であり、その明細書の内容で審査請求をした結果、特許査定が通ろうが通るまいが、弁理士が請求する手数料は変わらない。
ただ、査定が通ると成功報酬という形でさらに別途請求される(もちろん、請求項目や、どの段階でいくらと言った弁理士事務所や個人によって違う場合もある)。

それ以前に、一度書類を出して、審査官の考える査定が下りるギリギリの権利範囲の探りを入れる為に一度ワザと拒絶をくらう明細書にするのが弁理士の常套手段だ。
当然、中間処理(拒絶対応)と呼ばれる大体10万円ほどの弁理士費用が別途発生する。
この特許審査官の拒絶に対して口ごたえ・・・いや、意見書と補正書を提出する事自体には特許庁に対する費用は発生しない。
純然たる弁理士費用。
だから、当初は弁理士の売り上げが増える様にワザとやっているのか?と思ったが、実は違う。
その辺のお話を少々・・・
普通に考えたら、意気揚々と自分のアイデアの特許出願をし、大枚を払って審査請求をしして、今か?今か?と特許庁からの知らせを心待ちにした挙句、「拒絶理由通知」という表題の書類を受け取ると・・・・
「ああ、そんな馬鹿な!もうダメだ!死のう!」と、相当な精神的ダメージを受ける筈で、私も当初は、これは単なるプロセスに過ぎないと知りつつ、それなりにショックを受けていた。
しかし、「拒絶=もうダメ」と言う事では決して無い。
理由は後で述べるが、これは単なるプロセスであり、特許取得の上で大抵通過すべきイベントであるに過ぎない。
むしろ、拒絶理由に書かれている内容で担当審査官の感触を見る重要な役割を持っているので、それを基に「補正」すれば良いのだ。

だから、「出願しても、これは確実にダメって言われるよね」というものまで敢えて請求項に入れる弁理士も居る。
そういう請求項も入っているのだから、まず確実に「拒絶査定」をくらう。
ただ、審査官はこの明細書では「不合格」と言ってハネるだけでは無く「ここと、ここと、ここが拒絶理由になり今のままでは特許はおりません」という事を教えてくれる。
逆に言うと、「それらが解消すれば問題ありませんよ」と、言ってくれているも同然なのだ。
*もちろん当初の出願に無い新たな主張(新規事項)を加えてはならず、あくまで当初出願の内容を減縮する形で補正しなければならない。まあ、そこが難しく、最初の出願時に補正の事まで考えて作成するべきだ。
だから、それに従って修正(補正)し、拒絶理由が解消すれば(勿論、新規性と進歩性がクリアしている事が大前提)自動的に特許査定は通るのだ。
故に特許査定の書類には「拒絶の理由が見つからないので特許査定します」という、取り様によっては、結構後ろ向きな理由(笑)で特許が降りる。
「あ~・・・・断る理由がなくなっちゃったから受け入れるわ」って事。
査定基準の線引きが比較的明確で、お役所的には非常に正しいのだけどね。
おそらく一般の多くが人が誤解しているであろう「そのアイデアがいかに素晴らしいか」という事は審査の対象には無い。
だから、雑誌とかネット広告なんかに載っている「特許取得!」とか書いてるのは「特許取得=素晴らしいアイデア!」ではなく
「特許取得=拒絶の理由が見つからなかった~ぁ!」が正確(笑)。
そもそも「素晴らしい」か「そうでもない」かは主観による「感情」なので、人によって違うこの様な価値観は審査の対象から外されているのは正しいと言える。

また、こういう「ワザと拒絶をくらう」やり方で権利を取ると出来るだけ広い範囲の権利を取る事が出来るのだ。
(勿論、拒絶に対する意見書を出すのに弁理士はタダでやってくれる筈も無く、既に書いたように拒絶対応手数料がもれなく請求される。)
つまり、特許の審査の請求をするなら「必ず一度は拒絶をくらう=依頼者は、イヤでもその分余計に出費をする事になる」ということだ。

しかし、私の考えは違う。
そんなギリギリので査定が通ったとしても、その事そのものは、それをビジネスに使った際、他から異議申し立ての訴えが出される可能性が大きい事を意味しているのだ。
「ギリギリのラインは人によって違う」という事から
人によって解釈の差が出てしまう事で、争いの元と成ってしまう可能性がでてきてしまう。
これは、そのアイデアの有用性が大きかった場合、こういったリスクは更に大きくなる。
だから、このアイデアなら確実に査定は通るんじゃないか?と思える様な請求項で勝負するべきだと思う。
勿論それをやるという事は請求範囲がさらに限定的になるので、権利範囲も小さくなる事を意味するが・・・・。
しかしながら、本来こうした特許権というのは「争いを未然に防ぐ」意味合いもある訳だし、「自らそのスキを晒す様な、審査官によって結果が違う様な、スレスレの請求項は設けるべきじゃないの?」と思うのだが、違うだろうか?




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